
穏やかな気候と四方の海に恵まれた、花と緑、美味にあふれた島。
瀬戸内海で最大の島「淡路島」。瀬戸内海式気候の温暖な地域で、四方をさまざまな特徴ある海に囲まれており、農業や漁業、畜産も盛んです。1985年には徳島県鳴門市との間に「大鳴門橋」が、1998年には兵庫県明石市との間に世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」が開業。近年では、豊かな自然や食が改めて注目され、観光で大変人気を集めるほか、その住みやすさから移住者も増えていると言います。
淡路島では恵まれた気候を活かして、四季折々の花が栽培されています。世界中の珍しい品種や、テーマごとに選ばれた多彩な花々が大切に育てられ、一年を通して島中で咲く様子はまさに「花の島」。その美しさを愛でに、多くの人が訪れます。


あわじ花さじき
4月中旬から5月中旬にかけて、愛らしいアイスランドポピーが満開に。春にはほかにも、菜の花やムラサキハナナが丘を彩ります。
四季折々の花を愛でる 花めぐり
淡路島では、一年を通して花々が咲き誇ります。
「あわじ花へんろ」に指定されている中でも、特徴的な花の名所をご紹介しましょう。

あわじ花さじき
標高約300mの大阪湾まで見渡せる広大な丘陵地に、春には菜の花、夏にはクレオメや三尺バーベナ、秋にはサルビアやコスモスの花が咲き乱れます。


兵庫県立 淡路島公園
約135万m2の広さを誇る公園。花の谷やアジサイの谷・展望広場・ミニハーブ園などを巡りながら散策できます。公園内にはアニメのテーマパーク「ニンゲンノモリ」もあります。

淡路島国営明石海峡公園
ジャパンフローラ2000の会場にもなった国営公園。春のチューリップやムスカリなどの球根大花壇が有名で、その広さは関西最大級です。園内の「花の中海」では、白鳥ボートも楽しめます。

淡路夢舞台
建築家・安藤忠雄氏グランドデザインによる、複合リゾート施設です。傾斜地に階段状に造られた幾何学模様の花壇「百段苑」は、海を一望できるロケーションにあり、四季の草花や野菜が栽培されています。

パルシェ香りの館
約100種類のハーブを楽しむことができる、香りのテーマパーク。大農園では、ラベンダーなど四季のハーブや草花が一面に咲き、摘み取り体験のほか、オリジナル香水・お香・リース作りなどの体験もできます。

淡路ファームパーク イングランドの丘
季節の花々や熱帯地域の珍しい植物を栽培。特にイングランドエリアの英国風バラ園と、夏に咲く5万本のヒマワリは圧巻です。淡路島の食材を使ったグルメも人気です。

灘黒岩水仙郷
淡路島南岸の海に切り立つ急斜面には、約500万本の野生スイセンが群生。1月中旬になると、清楚な姿のスイセンが一帯を埋め尽くし、ひと足早い春の訪れを感じさせます。


洲本城跡
洲本市の中心にあり、春には桜が美しい洲本城跡。往時の素晴らしい石垣を今に残し、国の史跡にも指定されています。天守閣から見下ろす洲本の町と海も絶景です。城跡が建つ三熊山公園は、市民の憩いの場としても愛され、登山コースも整備されています。
淡路島の人とくらしを見守る神々を訪ねて
国生み神話ゆかりの聖地
伊弉諾(いざなぎ)神宮

拝殿
古事記・日本書紀の冒頭に創祀が記され、日本最古の神社と伝わる淡路の國一宮(いちのみや)。神代の昔に伊弉諾大神(いざなぎのおおかみ)が、御子神の天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)に国家統治の権限を委ね、淡路の多賀に「幽宮(かくりのみや)」を構えて余生を過ごされたとあり、その神宅の旧跡と伝えられています。ここで終焉を迎えられた伊弉諾大神は、その宮居の敷地に神陵を築いて祀られました。神陵はもともと禁足の聖地でしたが、1876(明治9)年からの官費による造営で、神陵の上に本殿が移築されました。

放生の神池

夫婦大楠
元々二株だった楠が一株に合体した樹齢約900年を数える珍樹で、兵庫県指定天然記念物です。二柱の大神が宿る御神木として、安産や子宝、夫婦円満などの信仰があります。
おのころ島神社(自凝島神社)

本殿
伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉冉命(いざなみのみこと)の国生みの聖地と伝えられる丘にあり、古くから「おのころ島」と親しまれ崇敬されてきた神社です。古事記・日本書紀によると、日本の創成期、伊弉諾命と伊弉冉命の二神は、天の浮橋に立ち、天の沼矛を持って海原をかき回すと、その矛からしたたる潮がおのずと凝り固まって島となったと言います。これが「自凝島(おのころじま)」で、二神はこの島に降り立ち、まず淡路島を造り、そして大八洲国(おおやしまぐに)(日本の異称)を造ったとされています。おのころ神社は縁結びや安産の社として知られ、高さ21.7mの朱塗りの大鳥居は南あわじのシンボルにもなっています。

鶺鴒(せきれい)石
伊弉諾命・伊弉册命は、この石の上にとまったつがいの鶺鴒を見て夫婦になったとされ、願いに合わせて2色の縄を引くと叶うと言われています。
人々に幸と福を授ける 淡路・七福神めぐり


淡路島の歴史や立地、気候を活かして生まれ、長く受け継がれてきた伝統芸能や工芸品をご紹介します。
淡路人形浄瑠璃(じょうるり)
人形浄瑠璃とは、江戸時代以降、歌舞伎とともに人気を集めた伝統演劇です。人形操り(あやつり)と浄瑠璃、三味線の3つの技芸が結び付き、京都で生まれました。その後、元禄時代(1688~1707年)に入り、浄瑠璃太夫の竹本義太夫(ぎだゆう)や浄瑠璃作家の近松門左衛門が登場し、大きく発展。18世紀中ごろに人形浄瑠璃の全盛期を迎えました。淡路島には人形浄瑠璃が生まれる以前から人形操りの長い歴史があり、江戸中期には島内に40以上もの人形座がありました。徳島藩の保護を得て発展し、人形座として全国を巡業。各地に人形浄瑠璃を根付かせました。「淡路人形座」は、この淡路人形浄瑠璃を鑑賞できる専用劇場です。「傾城(けいせい)阿波の鳴門 巡礼歌の段」や「戎舞(えびすまい)」などの演目を観ることができます。


線香・お香
淡路島は、実は線香の生産シェアが全国1位。特に淡路市の江井地区で、盛んに作られています。その歴史は古く、推古天皇3(595)年に沈香(じんこう)という香木が淡路島に流れ着き、その香木を燃やしたところ大変良い香りを放つので、天皇に献上したと日本書紀に記されています。沈香が流れ着いた地には、香木伝来伝承地として「枯木神社」が建てられ、大きな枯木がご神体として祀られています。淡路島のもう一つの特産である瓦づくりに使う器具を応用したり、島特有の西風を利用した乾燥方法などにより、線香やお香の一大産地になったと言われています。

淡路瓦
淡路瓦は、愛知県の三州瓦、島根県の石州瓦と並び、日本三大瓦の一つに数えられます。冴えた銀色が美しいいぶし瓦で、「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい粘土を使用しているのが特徴です。淡路島で瓦が造られるようになったのは、姫路城主・池田輝政の三男忠雄が自ら治める淡路島に成山城を築く際、播州瓦の名工・清水理兵衛を呼び寄せ瓦を焼かせたのが始まりです。装飾瓦の一つとして鬼瓦(鬼面)も造られ、寺では仁王像と同じく「阿吽」の2つの瓦を一組として、設置されることが多いそうです。


はなやかな彩りあふれるAWAJISHIMA 「淡路島」旅のおさらい

あわじ花さじき
淡路市楠本2865-4
アクセス:〈最寄〉: 淡路ICから車で約20分。

淡路夢舞台
淡路市夢舞台2
アクセス〈最寄〉:淡路ICから車で約10分。

淡路ファームパーク イングランドの丘
南あわじ市八木養宜上1401
アクセス〈最寄〉:西淡三原ICから車で約20分。

伊弉諾神宮
淡路市多賀740
アクセス〈最寄〉:津名一宮ICから車で約5分。

おのころ島神社
南あわじ市榎烈下幡多415
アクセス〈最寄〉:西淡三原ICから車で約15分。

淡路人形座
南あわじ市福良甲1528-1地先
アクセス〈最寄〉:西淡三原ICから車で約15分。

道の駅うずしお
南あわじ市福良丙947-22
アクセス〈最寄〉:淡路島南ICから車で約7分。
おすすめの宿

湊小宿 海の薫とAWAJISHIMA
淡路島の最南端、天然の良港をもつ福良(ふくら)で、淡路島の旬の食材や温泉が楽しめるお宿。落ち着いた和モダンなお部屋で、ゆったりとくつろぎの時間を過ごせます。
兵庫県南あわじ市福良甲1529-7
アクセス:西淡三原ICまたは淡路島南ICから車で約15分。
お問合わせ:0799-22-2521(予約センター)