美しい秋の風景と歴史をめぐる旅

富士山をはじめ雄大な山々に抱かれた、自然豊かな山梨県。

四季折々の自然を全身で感じられる妙高高原。

河口湖

富士五湖の一つに数えられる湖。逆さ富士や桜・紅葉と富士山などの絶景がのぞめる。湖畔には温泉街や美術館、劇団、キャンプ場などがあり、遊覧船も人気。

 四方を標高2,000メートル以上の山々に囲まれた山梨県。東は奥秩父山地、西は南アルプス(赤石山脈)、北は八ヶ岳、そして南には富士山が臨めます。

 

 中でも富士山は、山梨県のシンボルの一つです。3776.12メートルの日本最高峰の山として、その美しい姿からも世界中で愛され、特に2013(平成25)年にユネスコ世界文化遺産に登録されてからは多くの人々が登山や観光に訪れています。現在、富士山の山頂へ登るコースは4つあり、それぞれ起点となる登山口が異なります。初めて富士登山に挑戦する方が注意したいのが開山期間です。富士山の5合目から山頂までは通年で登ることができず、残雪状況や気象などによって例年7月初旬に登山道が開通し、9月初旬に閉鎖されます。

 

富士山は最終氷期以降に何度か噴火を起こしていることや、独立峰であることから、山自体(特に五合目以上)で見られる動植物の数は多くありませんが、麓には富士山の雪解け水がもたらす豊かな自然が広がっています。

富士山をはじめ雄大な山々に抱かれた、自然豊かな山梨県。

冬の富士山(山中湖)

冬の富士山は寒さが厳しく、年明けの1月・2月頃にはマイナス20度以下にもなる。例年10月頃(早い年は9月)に記録される初冠雪から、徐々に厚みを増す雪に覆われていく姿は美しく、澄んだ空気の中で一層神々しさを増す。

あでやかな紅葉に包まれる、水辺の絶景。

富士五湖

 「富士五湖」とは、山梨県側の富士山麓にある本栖湖(もとすこ)・精進湖(しょうじこ)・西湖(さいこ)・河口湖、山中湖の5つの湖の総称で、堀内良平氏(現:株式会社富士急行の創設者)によって名付けられました。富士箱根伊豆国立公園や国の名勝に指定されており、富士山とともにユネスコ世界文化遺産にも登録されています。この5つの湖はいずれも富士山の噴火によってできた堰止湖で、湖面に富士山の姿を上下反転して映し出す「逆さ富士」や四季折々の自然の移り変わりが楽しめ、ハイキングや撮影スポットとして大変人気です。特に河口湖や山中湖の周辺は街として発展しており、ドライブや温泉旅にもおすすめです。

富士五湖

精進湖

忍野八海 ( おしのはっかい )

 山中湖のほど近くにある忍野八海(おしのはっかい)は、富士山の雪解け水が約20年かけてろ過され湧水として出でる8つの泉のことで、出口池・御佂池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池の総称です。もともとは富士山をご神体として信仰する人々が、数ある湧水の中から仏教思想の上で尊ぶ「8」の数字に基づいて選定し、富士登山の際に禊を行った霊場でした。それぞれの池には守護神の八大竜王が祀られています。1934(昭和9)年には国の天然記念物、1985(昭和60)年には環境庁(現:環境省)の名水百選にも選定。菖蒲や梅花藻など、水辺に咲く草花が見られます。

忍野八海 ( おしのはっかい )

忍野八海

吐竜の滝 (どりゅう)

 八ヶ岳南麓の清里高原のほど近く、川俣川の渓流にある「吐竜の滝(どりゅう)」。落差10メートル、幅15メートルで、小さな滝が何段にも重なって落ちるなだらかな姿が特徴的です。木々や苔の緑に覆われた岩間から絹糸のように流れる神秘さが「5頭の竜が口から水を吐く姿」を想像させることから、この名が付けられました。遊歩道も整備されており、この風情ある景色をゆったりと眺めることができます。

仙娥滝

仙娥滝

 昇仙峡の最も奥に位置する、高さ30メートルの滝。地殻変動によってできたもので、新緑や紅葉、雪景色など四季折々に見せる壮麗な姿が美しい。

吐竜の滝 (どりゅう)

吐竜の滝

昇仙峡 (しょうせんきょう)

 甲府盆地の北側にあり、圧巻の渓谷美を誇る昇仙峡。特別名勝に指定され、紅葉の名所としても知られています。長潭橋(ながとろばし)から、「日本の滝百選」にも選ばれた仙娥滝(せんがたき)までの約5キロメートルの間には、至るところに大小さまざまな奇岩が見られ、昇仙峡ロープウェイで弥三郎岳(やさぶろうだけ)に登れば、晴れた日には富士山も臨めます。

長瀞橋

長瀞橋

 昇仙峡の玄関口でもある長瀞橋は、1925(大正14)年に竣工。歴史的にも有名なコンクリートアーチ橋で、土木遺産にも認定されている。

吐竜の滝
古からの教えを今に伝える歴史ある古社名刹。

久遠寺(くおんじ)

 山梨県には、古い歴史や伝統・由緒のある古社名刹が数多く点在しています。久遠寺(正式名:身延山妙法華院久遠寺)は日蓮宗の総本山で、1281(弘安4)年に日蓮聖人によって開山されました。日蓮聖人は約9年を久遠寺で過ごし、そのご遺骨は歴代の法主によって現在も大切に護られています。経典や典籍・書籍、聖教、絵画など貴重な資料を数多く保管し、国宝や重要文化財に指定されているものもあります。また建築も素晴らしく、御真骨堂拝殿や大客殿など19の建造物は国の登録有形文化財に登録されています。

久遠寺

 久遠寺では、秋の紅葉はもちろん、冬の南天、春のしだれ桜など四季の美しい花木に出合える。

久遠寺

久遠寺

河口浅間(かわぐちあさま)神社

 河口浅間(かわぐちあさま)神社は、河口湖をはさみ富士山と対峙して鎮座する神社。865(貞観7)年、前年より続く富士山の噴火を鎮めるため、富士山を神格化した浅間大神を奉ったのが始まりとされています。境内には天然記念物にも指定されている七本の巨大杉が生育。いずれも樹齢1200年を数えます。また『日本三代実録』で浅間明神を初めて祀った古代祭祀の石閣と伝わる美麗石(ヒイラ石)や、母の白滝などの見どころもたくさんあります。

河口浅間神社

河口浅間神社

金櫻(かなざくら)神社

 昇仙峡を登った先に鎮座する金櫻神社は、伝記によると第10代崇神天皇の御代に金峰山をご神体として創建。この地で発掘された水晶「火の玉・水の玉」を御神宝として祀っています。当社の名前にもある「金櫻」(鬱金桜:ウコンザクラ)は御神木で、4月下旬から5月上旬にかけて淡い黄金味を帯びた花が満開となります。この季節に水晶のお守りを手にこの櫻に願いを込めると生涯金運に恵まれ、厄難解除のご神徳を授けられると言われています。

河口浅間神社 ( かわぐちあさま)

神社の名前の由来になっている御神木「金櫻(鬱金桜)」は、淡い黄金色を帯びた花色が特徴。

金櫻神社

金櫻神社

地元山梨で深く敬愛される戦国武将・武田信玄公
武田神社

武田神社

信玄公像

信玄公像

 戦国時代に活躍し、今なお山梨の英雄として敬愛されている武田信玄公。特に武田氏のお膝元であった甲府市では、「信玄さん」と呼ばれ親しまれています。信玄は1521(大永元)年、甲斐国守護である武田信虎の嫡男として生まれました。情報を駆使した戦に長け、生涯で指揮した約70回の戦はそのほとんどで勝ちを収めました。“甲斐の虎”と呼ばれて恐れられ、かの織田信長や徳川家康も武田軍との合戦を避けたと言われています。また一方で、領地を流れる佂無川や御勅使川に堤防を築くなど地域のための政策も数多く進め、領民から大いに慕われました。

武田神社

 山梨県では、信玄にゆかりのある史跡やその名を冠した商品が今も大切に受け継がれています。

武田神社は1919(大正8)年に創建された神社で、武田信玄を御祭神としています。経済や産業の神様として名高く、勝運のご利益があるとされています。武田家ゆかりの品を展示する「宝物殿」や「武田水琴窟」「三葉(さんよう)の松」などの見どころも豊富で、秋には多くの紅葉が境内を美しく彩ります。

河口浅間神社
武田不動尊

武田不動尊

恵林寺 ( えりんじ )

 恵林寺は、信玄の菩提寺です。臨済宗妙心寺派の名刹で、1330(元徳2)年に創建。1564(永禄7)年に信玄が寺領を寄進して菩提寺と定めました。武田氏滅亡後に織田信長の焼き討ちに合いますが、本能寺の変の後、徳川家康によって復興されました。庭園は鎌倉時代の夢窓国師の作庭で、国の史跡・名勝に指定されており、重厚な三門やうぐいす廊下も歴史を感じさせます。訪れた際には、信玄が剃髪した毛髪を漆に混ぜて自ら坐像の胸部に塗りこめたといわれている武田不動尊もぜひ拝見してください。

 

 信玄の名前を冠した身近な食べ物として愛されているのが「信玄餅」です。求肥ともち米を合わせた餅生地にきな粉をまぶしたお菓子で、黒蜜をかけて食べます。信玄が出陣の際に非常食としていた砂糖入りの餅にちなんで作られたという説と、山梨県でお盆に食べられる安倍川餅に由来するという説があり、信玄が絶賛したことからこの名が付いたとされています。

信玄餅

信玄餅

山梨で発見&体験したい!伝統工芸品と自慢のグルメ
山梨で発見&体験したい!伝統工芸品と自慢のグルメ
甲州印伝(いんでん)

 

印伝(印傳)とは正式には「印伝革」と言い、なめした鹿や羊の革を染色し、漆で模様を描いた工芸品です。「インド(印度)伝来」にちなんで、このように呼ばれています。古くは武具や馬具に用いられたり、羽織や煙草入れに使われていました。現在ではバッグや下駄の鼻緒、ペンケースなどが作られています。江戸時代には各地で製造されていたと思われますが、現在製法が伝わっているのは甲州印伝のみで、国の伝統的工芸品に指定されています。

甲州鬼瓦

 

約300年以上の歴史があると言われる甲州瓦。生産地である南アルプス市の加賀美地区は、御勅使川扇状地の先端にあり、細かい粒子の粘土層が露出していたことや良質の水に恵まれていたことから、瓦づくりが根付きました。昭和から平成にかけて一度衰退しましたが、伝統技術を後世に残すため、貴重な技術を使った甲州鬼瓦が開発されました。

雨畑硯 ( あまはたすずり)

 

「玄晶石」と言われる黒色の粘板岩で作った硯。均一な石の粒子が程よく墨をかみ、墨を磨る感触もやわらかいことから高く評価されています。

甲州親子だるま

 

全国的にも珍しい、子どもを抱えただるまです。かつて山梨は綿・桑の栽培や養蚕が盛んだったため、豊作を願って白いまゆ型を模し、子孫繁栄を願って親子の姿になりました。子だるまの正面を見据えた視線は、「子どもが自分で目標を持ち、思った道をまっすぐ進んで欲しい」という親心が、立派なヒゲには「立身出世」の願いが込められています。

水晶細工

 

今から約1000年前に昇仙峡の奥地・金峰山で水晶の原石が発見され、甲府で水晶細工が始まりました。精緻な彫刻と高度な研磨技術によって、今では芸術品として世界でも高く評価されています。

ワイン

 

ぶどうの生産量が国内第一位の山梨県は、ワイン生産量も日本一です。特に勝沼地区は屈指の名産地で、日本固有の甲州種を使ったワインは海外でも高く評価されています。ワインを生産・保管するワイナリーをはじめ、ワインや料理にこだわりを持つレストランやオーベルジュが集まり、世界中のワイン愛好家が訪れます。

安倍川餅 ( あべかわもち )

 

もとは餅にきな粉をまぶし、砂糖をかけた和菓子で、山梨県では砂糖の代わりに黒蜜をかけます。お盆にこの安倍川餅を仏前に供えて食べる風習があり、信玄餅のルーツとも言われています。

フルーツ

 

ぶどうや桃、さくらんぼ、プラム、いちごなど国内有数の果物生産量を誇る「フルーツ王国・山梨」。年間を通して日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きいことや降水量が少ないことから、おいしい果物を作る条件が揃っています。果物狩りを楽しめる農園も多く、ファミリーを中心に人気です。

ほうとう

 

山梨県を代表する郷土料理「ほうとう」。小麦粉を練って作った太い麺を、かぼちゃやねぎ、きのこなど季節の野菜と一緒に味噌で煮込む料理です。ほうとうの麺を冷水で締め、温かい汁で食べる“冷やしほうとう”とも言える「おざら」や、ほうとうの麺に小豆餡をのせた「小豆ぼうとう」も素朴なおいしさです。

吉田のうどん

 

しっかり強いコシのある麺、甘辛く煮込んだ馬肉、ゆでたキャベツ、しょうゆやみその独自の出汁が特徴のうどん。富士吉田市の名物で、市内には多くのうどん店があるほか、専用の麺や出汁も販売されています。

美しい秋の風景と歴史をめぐる旅 YAMANASHI 「山梨」旅のおさらい
美しい秋の風景と歴史をめぐる旅 YAMANASHI 「山梨」旅のおさらい
西山温泉 慶雲館
西山温泉 慶雲館

 

慶雲年間(西暦705年)の開湯以来、多くの都人、名将、文人に愛され続けてきた名宿。「世界で最も古い歴史を持つ宿」として、ギネスにも認定されています。1300年以上湧き続け、四季折々の風情を映す温泉や、山河の美味、純和風のお部屋が人気です。

 

山梨県南巨摩郡早川町西山温泉

アクセス:JR身延駅から早川町バス(1日3本)で「西山温泉」下車、すぐ。

またはJR身延駅から当館送迎バスあり(13:40出発/要予約)。

お問い合わせ:0556-48-2111