
表彰式レポート

バイエル薬品では、透析を受けている方に食の情報を発信し、食生活をサポートする活動の一つとして、「バイエル・レシピコンテスト」を開催しています。
コンテストでは、「患者さん部門」「サポート部門」「教育部門」の3つの部門で透析食のレシピを募集。趣向を凝らした作品が年々増える中、第4回となる今回も、オリジナリティの高さや、彩りの豊かさ、器へのこだわりなどが感じられる作品を多数ご応募いただきました。
結果発表
患者さん部門
グランプリ
菱倉 純子 さん(神奈川県)
メニュー
●さつまいもと枝豆ごはん
●鰯とおからのつくね風
●たまご寒天
●三色巻酢の物
●具のせそうめん
●寒天フルーツ
〈受賞コメント〉
毎日の食事のことで、よく管理栄養士の方に相談している中で、このコンテストへの応募をすすめていただきました。料理で心がけているのは、「楽しく食材を生かすこと」。今回は、冷蔵庫にあるものを使って手軽に作れる献立にしました。特に魚卵をあまり食べられない患者向けに1人1/8コ分の鶏卵を使った「卵寒天」は、友人にも好評なんですよ。これからも、新しいメニューをたくさん作っていきたいですね。


準グランプリ
冨田 泰智 さん(岡山県)
メニュー
●栗ご飯
●鰆のグリル・ブルーベリーソース添え
●そうめんかぼちゃの夏野菜ゼリー寄せ
〈受賞コメント〉
サワラやブルーベリーなど、岡山の食材をたくさん取り入れ、地元の特産品PRにも貢献できればという思いで応募しました。もともと料理を作るのは好きで、いつも通っている病院の栄養士さんと相談しながらレシピを考えました。今回の受賞をきっかけに、制限のある中でも、工夫次第でおいしく楽しく食事ができるということを、多くの患者さんに伝えることができたらうれしいです。


佳作
永山 千代子 さん(沖縄県)
メニュー
●三色そぼろごはん
●野菜チャンプルー
●焼き魚
●マッシュかぼちゃのゴーヤ巻き
●温野菜・モーウィの酢漬け・ドラゴンフルーツ
●チーズとしその春巻き
〈受賞コメント〉
透析がある日は、毎日自分でお弁当を作って病院へ持参します。食材は、自宅の庭でできた野菜や果物が中心。塩分やカリウムなどの量に気を付けながらも、栄養バランスが取れたメニューを考えています。食べるのが楽しくなるよう、彩りも大切ですね。今回の受賞は、これまで様々な工夫をしてきたメニューを評価していただき、大きな自信につながりました。この喜びを、これからの励みにしたいです。


サポート部門
グランプリ
医療法人仁友会 北彩都病院 栄養科
髙橋 知子 さん(北海道)
朝食
●ホットサンド
●ハニーヨーグルトサラダ
●ロシアンティー
昼食
●和風ロコモコ丼
●野菜のスープ煮カレー風味
●パインシャーベット
夕食
●ごはん
●ジンギスカン唐揚
●ラーメンサラダ
●アスパラのふぶきあん
●あずき寒天
〈受賞コメント〉
当院では定期的に透析患者さんと調理実習を行っており、特別な食材はなるべく使わずに家族揃っておいしく食べられるレシピを紹介しています。今回は地元・北海道の食材にこだわりました。郷土料理であるジンギスカンの羊肉には、透析で不足しがちなアミノ酸であるL-カルニチンが多く含まれ、唐揚げにすることにより冷めても独特の臭みがしにくく意外なおいしさです。グランプリ受賞という貴重な経験を活かし、これからも患者さんの意見を取り入れたレシピを考案していきたいです。




佳作
大阪府立成人病センター
栄養管理室
雁尾 祥子 さん(大阪府)
朝食
●アンダンスー(油味噌)のお焼き
●卵と人参シリシリの粒マスタード風味
●ゴーヤーとツナのわさびマヨネーズあえ
昼食
●そうめんチャンプルー(五目炒め)
●白身魚のから揚げ黒酢あんかけ
●生姜ごはんの豚肉黒糖煮のっけ丼
夕食
●沖縄タコライス風
●ジーマーミー豆腐サラダ
●黒糖みたらし団子
〈受賞コメント〉
応募のきっかけは、元上司の「新しいことにチャレンジしてみたら?」の一言。私自身、透析の患者さんと関わることはほとんどなかったので、今回のためにいろいろ勉強しました。“長寿の国”沖縄の健康に良い郷土料理をテーマに、味の濃いものは違う食材を組み合わせるなど工夫して、栄養価を考えながら沖縄の味を再現しました。この挑戦のおかげで自分の経験も豊かになり、透析食にも取り組んでいきたいと思うようになりました。




教育部門
グランプリ
武庫川女子大学 生活環境学部 食物栄養学科
福田(也)研究室チーム(兵庫県)
メニュー
●パエリア&コカ
●野菜マリネ
●レバー入り豚ひき肉ソテー(イベリコ豚風)&トルティージャ
●グレープソーダゼリー(ワイン風ゼリー)
〈受賞コメント〉
昨年、同じ研究室の先輩がこの「レシピコンテスト」で受賞したと知り、私たちも応募しました。メニューを作るにあたり、患者さんにアンケートにご協力いただいたのですが、その時話してくださったスペイン旅行の思い出をヒントに、「現地の味を再現しよう」と取り組みました。日本でも手に入れやすい食材で、素材の味わいを生かした味付けにしています。これからも、患者さんに喜んでいただけるメニューを考えていきたいです。最後に、応募にあたり、私たちの背中を押してくださった先生に、心から感謝しています。(池永桜子さん)


準グランプリ
至学館大学
健康科学部 栄養科学科(愛知県)
メニュー
●キムパブ(韓国風海苔巻)
●テジプルコギ
●れんこんと水菜のナムル
〈受賞コメント〉
教育部門のテーマが「海外のおウチゴハン」だったので、近くても旅行になかなか行けない患者さんを思い、お隣の韓国を選びました。ポイントは、塩分を気にしながら韓国の味を保ちつつ、日本人にも馴染みの食材を使ったこと。「キムパブ」という韓国風海苔巻には、塩分の多いキムチの代わりにカニカマを使用し、きゅうりや卵など、身近にある食材で彩りを出しました。昨年先輩たちがコンテストで受賞しており、私たちもがんばりたいと思っていたので、今回の受賞は本当にうれしいです。協力いただいた先生方に、感謝の気持ちでいっぱいです。(鷹屋 瑞希さん)


佳作
相模女子大学
栄養科学部 管理栄養学科(神奈川県)
メニュー
●つける、かけるはお好みで、鶏のフォー
●エビとブタひき肉の具沢山焼き春巻
●いろどりサクサクサラダにんにく添え
〈受賞コメント〉
何度か旅行して馴染みのあったベトナムをテーマに、食べるだけでその国の空気を味わえるようなレシピを目指しました。栄養価を考え、食材のバランスや調味料の使い方を工夫しましたが、想像以上にベトナムの味を出せたと思います。勉強してきたことがかたちになり、審査員の方に評価いただける貴重な機会となりました。私のレシピが、少しでも患者さんのためになればうれしいです。(村上 みどりさん)

