
受賞作品決定
本コンテストでは、昨年8月から10月まで、透析食を普段から調理されている患者さん(患者さん部門)、患者さんの食生活をサポートされている方(サポート部門)、そして栄養士または管理栄養士を目指している学生の方(教育部門)からもオリジナルレシピを募集してきました。その結果、患者さん部門21点、サポート部門23点、教育部門21点、計65点のご応募をいたたき、厳正なる審査により選ばれた受賞者の方々を発表致します。
結果発表
患者さん部門
グランプリ
水田 春子 さん(大阪府)
メニュー
●簡単オムライス
●小松菜と夏みかん缶のジュレ・ドレッシングサラダ
●さつまいもの黒糖炒め
〈受賞コメント〉
何十年も外食生活を続けてきた私にとって、食生活を変えることは容易ではありませんでした。若い世代の方々には、食事の重要性に気付いてほしいと思っています。現在は、透析治療を続けており、気が滅入ることもありますが、医師や看護師、栄養士の方々に励まされながら、「気持ちは18歳」をモットーに頑張っています。リンやカリウムの摂り過ぎに気をつけながら、「楽しく料理し、美味しく食べられる」レシピ作りに励んでいます。


準グランプリ
小林 由紀子 さん(広島県)
メニュー
●梅じゃこ菜飯
●おでん
●エビときゅうりの酢の物
〈受賞コメント〉
昨年初めてレシピコンテストを知り、応募を決めました。これまで書き溜めてきたレシピは1万を超えました。私にとって、食事療法は、家族の理解があってこそできたことです。その思いから、レシピ作りは、家族が一緒に楽しめるものを考えています。今では工夫して食事を作る喜びと楽しさが分かるようになりました。今後はエキスパート患者会の活動の中で、自分の経験やレシピを共有しながら、他の患者さんの役に立っていきたいと思っています。


佳作
岡山県腎臓病協議会
晴れの国事務局チーム(岡山県)
メニュー
●黒豆寿司
●ピーチポークの夏野菜巻き
●夏野菜の八丁味噌炒め
●フルーツポンチ&米粉団子
〈受賞コメント〉
岡山産で、身近にある同じ食材を使って色々な献立ができることを多くの患者さんに知ってほしいと思い応募したところ、今回の受賞となり、うれしく思っています。患者会の会員さんや、昨年のレシピコンテストで患者さん部門:準ブランプリの高岸さんが食材を提供してくださったおかげです。これからは、バイエル・レシピコンテストを通じて岡山の食材を県外にもアピールし、患者会の活性化や元気に過ごしていける透析食の普及に努めていきたいと思います。


サポート部門
準グランプリ
医療法人社団松下会
あけぼのクリニック 栄養管理部(熊本県)
朝食
●シナモントースト
●れんこんポテチサラダ
●レモンティー
昼食
●天むす
●いきなり団子汁(味噌仕立て)
●いちじくの柔らかゼリー
夕食
●ライス春巻き
●グリーンサラダ
●トマトのコンポート
〈受賞コメント〉
準グランプリを受賞することができ、スタッフ一同、とても喜んでいます。毎月イベント(食事会等)を実地しているのですが、その際には細かい制限を設けず、そのとき食べた量を考えて、別の食事で調整することを心がけていただくよい機会となっています。また、80歳、90歳の患者さんにも召し上がっていただけるような食事を考えることも課題です。栄養士、調理師の方々の協力も含めてスタッフが一丸となったサポートを今後も心がけていきます。




佳作
医療法人社団北海道恵愛会
札幌南一条病院(北海道)
朝食
●コーントースト
●温野菜サラダ
●果物缶
●紅茶
昼食
●豚味噌丼
●変わり焼きギョーザ
●酢の物
夕食
●ご飯
●さんまのメンチカツ風
●大根の梅風味
●ごま和え
〈受賞コメント〉
受賞が決まって、今は戸惑いと恥ずかしさでいっぱいです。北海道は食材に恵まれています。私たちが心がけていることは、「これはだめ」ではなく、「工夫すれば食べられないものはない」と指導することです。また、地域医療の一環として、腎臓病教室や料理教室を実地しながら、ご家族の協力も得ています。これからも、オーダーメイドの食事を提供し続け、調理師、管理栄養士とともに、オリジナリティー溢れるレシピを考えていきたいと思います。




佳作
渡辺クリニック
金子 直子 さん(神奈川県)
朝食
●ご飯
●三点盛り (焼きれんこん、チンゲン菜の酢の物、ししとうの焼き浸し)
●ごぼうと牛肉の煮物
●月見豆腐
●味噌汁
昼食
●ご飯
●大砲巻き
●せりのお浸し
●たけのこの卵とじ
●泡雪かん
夕食
●海老フライロール
●かきの味噌鍋風ホイル焼き
●ぜんまいの煮物
●冬瓜のかにあんかけ
●フルーツサラダ
〈受賞コメント〉
今回の受賞は、これまで頑張ってきたことへのご褒美だと思い、素直に喜んでいます。顔が見える管理栄養士として、毎週、患者さんのベッドに足を運び、残さず召し上がっていただける献立のヒントをいただいています。年1度のアンケートでは、食事のことだけでなく、ご家族や趣味など、生活全般が理解できるよう努めています。今後は、患者さん同士の食事療法についてもっと理解していただける交流の場を作っていきたいと思っています。




教育部門
準グランプリ
武庫川女子大学
食物栄養学科(兵庫県)
メニュー
●ひし餅寿司
●ひな揚げ物三種盛り
(れんこんのはさみ揚げ、野菜の油揚げ巻き揚げ、野菜のカナッペ)
●さけのマヨマスタード焼き
●ブロッコリーのお浸し
●かぼちゃの道明寺粉蒸し
〈受賞コメント〉
限られた時間内でレシピを完成させることに必死だったこともあり、思いがけない受賞が大きな自信になりました。コンテストのために夜中まで試作を重ねて仕上げたレシピには愛情が湧き、レシピ作りの楽しさを知りました。栄養価と彩りの両立には苦労しましたが、透析食は見た目もよく、おいしい食事でなければいけないことを再認識しました。今後は、たくさんの知識を身につけ、患者さんに必要とされる管理栄養士になりたいと思います。


佳作
至学館大学
チーム井上(愛知県)
メニュー
●サラダ寿司
●天ぷら
●シャンパン風ゼリー
〈受賞コメント〉
透析食は工夫次第で身近にある多くの食材が使え、美味しくできることを学びました。メンバー一人ひとりが「ひなまつり」にちなんだレシピを持ち寄り、応募作品を仕上げていきました。今回の応募で、カリウムは調理の工夫で減らすことができ、カロリーアップへのアイデアも生まれましたが、調理の工夫でコントロールできないリンには一番苦労しました。次回応募の際には、リンをコントロールし、手軽においしくできるレシピを考えたいと思います。


佳作
城西大学 薬学部 医療栄養学科
チーム春風(埼玉県)
メニュー
●ちらし寿司
●天ぷら
●はまぐりのふくさ焼き
●3色だんご
〈受賞コメント〉
透析食を勉強する前に始めたレシピ作りは、チームにとって大きなチャレンジでした。透析食のメモから透析食を表現することの難しさを痛感しましたが、料理を提供する相手を考えながらレシピを作ることの大切さを学びました。メンバーには各々、管理栄養士を目指そうと決めた背景、さまざまなきっかけや思いがあります。それぞれの気持ちを大切にして、レシピコンテストを通じて学んだことを励みに、各人の目標に向かって前進していきたいと思っています。

