
体の中での“ミネラル”の働き
「ミネラル」のバランスは、主に腎臓で保たれている
「ミネラル」とは、私たちの体に欠かせない元素で、「タンパク質」「脂質」「糖質」「ビタミン」に並ぶ五大栄養素のひとつです。
人の体に必要なミネラルには、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、リン、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、クロム、セレンなどがあり、それぞれ異なった働きをもっていて、骨や細胞などの材料になったり、筋肉や神経、ホルモンの働きを調節するなど、生きていく上で必要なあらゆる生理作用にかかわっています。
ミネラルは成長段階や性別などによって必要な量や種類が異なり、多すぎても少なすぎてもよくありません。そのため、主に腎臓で余分な量を排泄したり補ったりして、バランスを保っています。
生体内で重要な働きをもつミネラル―「リン」
透析患者さんにとって重要なミネラルのひとつに「リン」があります。
リンは体内におけるミネラルの中でカルシウムに次いで2番目に多く、その85%がカルシウムとともに骨や歯をつくる成分となっており、骨・歯を「硬く」するもとになっています。
またリンは細胞内にも存在し、DNAや細胞膜の成分となるほか、細胞が働くときのエネルギーをつくるなど、生体にとって重要な役割を担っています。
体の中で一番多いミネラル―「カルシウム」
続いて透析患者さんが注目しなければならないミネラルに、「カルシウム」があります。
カルシウムは体の中で一番多いミネラルで、その約99%はリンと結合して骨や歯に存在します。
骨はカルシウムの最大の貯蔵庫で、常にカルシウムを蓄えていて、血液中のカルシウムが不足すると破壊されてカルシウムを放出するなど、必要に応じて貯蔵・放出します。
また血液や筋肉などの組織にある残り1%のカルシウムは、神経や筋肉の働き、心臓の機能の調整、酵素活性のほか、出血を止める、ビタミンやほかのミネラルの代謝を助けるなど、生命の維持に不可欠な働きをしています。
