自然豊かな聖地をゆく 宮崎・神話の里めぐり

掲載:2019年 vol.36

自然の恵みを全身で感じる、神々しい雰囲気のパワースポット。

自然の恵みを全身で感じる、神々しい雰囲気のパワースポット。

 九州の東南部に位置し、一年を通して気候に恵まれていることから、冬でも多くのスポーツチームが合宿を行うことで知られている宮崎県。南国をイメージさせる大自然が広がり、神話にゆかりのあるスポットが点在しています。

 天孫降臨の伝説が残り、今も神秘的な空気に満ちているのが高千穂町です。天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫であり、現在の天皇家につながるとされる邇邇芸命(ににぎのみこと)が降り立った場所と言われる、日本神話のふるさとです。高千穂町の中でも特に見どころなのが、高千穂峡です。阿蘇山の大噴火によって流出した火砕流が急激に冷え固まり、そうしてできた柱状節理を五ヶ瀬川が侵食して谷ができました。切り立った崖が約7kmにわたって続き、渓谷に流れ落ちる大迫力の真名井の滝も眺められます。岩壁と滝が両側に迫り、木々と川の美しい緑色に包まれる景色は大変幻想的です。国の名勝・天然記念物に指定されています。

高千穂峡

高千穂峡

真名井の滝が流れ落ちる、高千穂峡。貸しボートで、渓谷美を間近に楽しむこともできます。また近くには由緒ある池や橋などもあり、ゆったり散策するのもおすすめです。

天孫降臨神話が語り継がれる、由緒ある美しい神社。
高千穂神社

高千穂神社

荒立神社(あらたてじんじゃ)

荒立神社(あらたてじんじゃ)

天孫降臨を先導した猿田毘古神(さるたびこのかみ)と天照大神を天岩戸から出すために踊った天鈿女尊(あめのうずめのみこと)が結婚して新居を構えたとされる場所です。切り出したばかりの荒木で急いで造ったため、「荒立宮」と名付けられたと言います。夫婦円満や縁結びのほか、芸能のご利益もあるとされ、芸事を生業とする人も多く参拝します。

天真名井(あまのまない)

天真名井(あまのまない)

「地上で最初に水が湧き出た場所」と言われるのが、神代川のすぐそばにある湧水池「天真名井(あまのまない)」です。この地に水がなかったため、天村雲命(あまのむらくものみこと)が高天原から“水の種”を持ってきたと言い伝えられています。樹齢1300年のケヤキの大木の根本から湧き出る清水は御神水とされ、高千穂峡の水源とも言われています。

 高千穂町には、神々の伝説を今に語り継ぐスポットが点在しています。

 

 高千穂神社は、邇邇芸命(ににぎのみこと)をはじめ日向三代(日本神話における地神五代のうち、邇邇芸命・火折尊(ほおりのみこと)・鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)の三柱)とその配偶者を高千穂皇神(たかちほすめがみ)として祀っています。高千穂八十八社の総社として信仰を集め、縁結びの神様としても知られています。境内には本殿、拝殿、神楽殿が建ち並び、神域の厳かな雰囲気が満ちています。また2本の根本がつながった巨大な夫婦杉や、樹齢約800年の秩父杉、悩みや世の乱れが鎮められるという鎮石(しずめいし)なども必見です。

夜神楽

夜神楽

高千穂町には、神話を語り継ぐ夜神楽(よかぐら)が古くから伝わっています。神話に伝わる「天照大神の岩戸隠れ」を描いた民俗芸能で、1000を超えるという全国の神楽の中でも数少ない国の重要無形民俗文化財に指定されています。「里神楽(さとかぐら)」と呼ばれる本式の夜神楽は、11月から2月にかけて各地域で地元の人によって開催されます。また高千穂神社でも毎日約1時間、三十三番の中から代表的な演目を鑑賞できるほか、11月には高千穂神社や天岩戸神社で夜神楽まつりも行われています。

天安河原(あまのやすかわら)

天安河原(あまのやすかわら)

天照大神が天岩戸に隠れてしまった時、困った神々が相談のために集まったとされる河原です。一角にある仰慕窟(ぎょうぼいわや)の洞窟には天安河原宮が建てられ、八百万の神々が祀られています。そのため、願いごとが叶うとされています。

大雨などで河川が増水した場合は、参拝できないこともあります。
鵜戸神宮

鵜戸神宮

 彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)の妻である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)を産んだとされ、第10代崇神(すじん)天皇の時代に創建されたと伝わる鵜戸(うど)神宮。鮮やかな朱色の楼門をくぐり、海を見下ろす石段を降りると洞窟があり、その奥に本殿がたたずんでいます。縁結びや夫婦円満、子授け、安産、育児祈願などのご利益があり、磯にある亀石のくぼみに「運玉」を投げて入れば願いが叶うという願掛けもできます。この鵜戸神宮の一帯は「鵜戸」として、国の名勝にも指定されています。

豊玉姫が出産のために乗ったとされる亀石(上)と運玉(下)

豊玉姫が出産のために乗ったとされる亀石(上)と運玉(下)。1人5つの運玉を、男性は左手、女性は右手で亀石の穴に入るように投げる。

まぶしい日差しに映える、モアイ像やアート作品。

 宮崎市街から都井岬(といみさき)へ至る海岸沿いの国道は、「日南フェニックスロード」と呼ばれ、海に臨む名所があります。パームツリーやブーゲンビリアなどの南国らしい樹木や花も楽しめる、人気のドライブコースでもあります。

 

 サンメッセ日南には、イースター島のモアイを修復した日本の功績により、世界で唯一、島の長老会から特別な許可を得て完全復刻したモアイ像が並んでいます。全部で7体あり、それぞれに異なるご利益があると言われています。「モアイ」には「モ」が未来、「アイ」が生きる、すなわち「未来に生きる」という意味があります。

日南海岸

日南海岸

 ほかにも、フランス語で「見る人」を意味するカラフルな人形「ヴォワイアン」や、世界でも珍しい昆虫展、ユネスコ本部より直接許可のパネル。太陽の丘には蝶の地上絵など、見どころもたっぷりです。

サンメッセ日南

サンメッセ日南

太陽の丘

太陽の丘

美しい海に願いを込めて。珍しい御崎馬にも会いに出かけましょう。

 岩場に囲まれた海を「十」の文字に、またその左の岩場を「口」に見立てて「叶」という文字に見えることから、願いが叶うと言われる「願いが叶うクルスの海」。展望台には「クルスの鐘」があり、人々が思いを込めて祈りその音を響かせます。天気の良い日は海がコバルトブルーに透き通り、さらに絶景が楽しめます。

 

 宮崎の海岸の風景を満喫するなら、都井岬もおすすめです。国の天然記念物である御崎馬(みさきうま)が、現在約120頭生息しています。体長・体高ともに130cmほどと小柄な馬で、大変人懐こい性格が特徴。都井岬にはその一角に白亜の都井岬灯台もあり、晴天時には種子島まで見晴らせます。

願いが叶うクルスの海

願いが叶うクルスの海

都井岬

都井岬

少し足をのばして…霧島の名所をゆく

宮崎県との県境に位置する鹿児島県霧島市。
由緒ある神社や歴史ある温泉など、霧島の見どころを巡ってみましょう。

自然豊かな聖地をゆく 宮崎・神話の里めぐり
霧島神宮
霧島神宮 本殿

霧島神宮 本殿

神が舞い降りたとされる神話の地。朱色の社殿や極彩色の装飾も美しい。

 南九州最大の規模と古い歴史を誇る霧島神宮。6世紀の創建で、天孫降臨の神話に登場する邇邇芸命を祀っています。もとは高千穂峰の山頂近くにありましたが、噴火や焼失などにより約500年前に現在の場所に再建されました。朱色のあでやかな社殿は重要文化財にも指定されています。南九州一体の杉の祖と考えられている樹齢約800年の大杉は御神木とされ、境内に神々しくたたずんでいます。

神楽殿

神楽殿

樹齢約800年の大杉

樹齢約800年の大杉

霧島高原
大浪池

大浪池

ハイキングやレジャーで、霧島の大自然を満喫。

 日本で初めて国立公園に指定された霧島連山。宮崎県と鹿児島県の県境にある標高1200mの霧島高原は、その雄大な自然を楽しめるレジャー施設や牧場が、家族で訪れる観光スポットとしても人気です。またハイキングスポットとしておすすめなのが大浪池です。霧島山の火山活動でできた火口跡に水が溜まった池で、水の透明度が非常に高いため、池の底まで見ることができます。秋には色とりどりの紅葉で美しく彩られます。

霧島連山

霧島連山

霧島温泉
霧島温泉

霧島連山のふもとから湧き出る名湯でほっとひと息。

 霧島には霧島温泉郷をはじめ、霧島神宮温泉郷、妙見・安楽温泉郷、日当山温泉郷の4つの温泉郷と、塩浸温泉や日の出温泉などの温泉地が数多くあります。源泉かけ流しの天然温泉は足湯や飲泉場でも気軽に楽しむことができ、温泉水で調理できる自炊宿や家族湯のある温泉施設が多いのも魅力です。霧島温泉郷の中心にある霧島温泉市場では、足湯の他、温泉の噴気で蒸した温泉たまごや温泉まんじゅう、とうもろこしなどが味わえます。

霧島連山のふもとから湧き出る名湯でほっとひと息。
自然豊かな聖地をゆく MIYAZAKI「宮崎」旅のおさらい
おすすめのホテル
ソレスト高千穂ホテル

ソレスト高千穂ホテル

高千穂神社のほど近くに建つ、モダンで落ち着いた空間が魅力のホテル。高千穂の棚田で採れたお米をはじめ、地元の旬の食材にこだわった、多彩な美味も楽しめます。

 

宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1227
アクセス:高千穂バスセンターから徒歩約8分
お問合わせ:0982-83-0001