Q5 骨転移の検査にはどのようなものがありますか?
画像検査
骨転移の有無や広がりの程度は、骨シンチグラフィー(骨シンチ)やCT、MRIなどの画像検査で確認します。
骨シンチでは、全身の骨を一度に検査することができます
また、近年の画像技術の進歩に伴い、新たな画像検査方法の実用化が進んでいます。
各種検査方法については、担当医師にお尋ねください。
骨シンチグラフィー(骨シンチ)
がんの病巣に集まる性質をもつ放射性物質を含む薬剤を血管内に投与した後に撮影を行います。がんのある部位に薬剤が集まり、黒く映しだされることで転移のある部位が分かります。ただし、骨シンチでは炎症や骨折の部位も黒くなってしまうため正確な判断をするために、CTやMRIなどの検査と組み合わせて総合的に判断します。
血液・尿検査
血液・尿検査では、腫瘍マーカーや骨代謝マーカーを調べます。
腫瘍マーカーは、がんが大きくなってくると血液中に増加する物質のことで、前立腺がんではPSAなどが測定されます。
また、骨は、古い骨を溶かす破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞がバランスを取りながら働き、常に生まれ変わっています。これらの破骨細胞や骨芽細胞が活発に働くと、血液中や尿中に増加してくる物質が骨代謝マーカーです。骨転移が起こると、骨代謝マーカーが増加することがあります。
腫瘍マーカー
前立腺がんが大きくなってくると、血液中に増加するマーカー
PSAなど
骨代謝マーカー
破骨細胞や骨芽細胞が活発に働くと、血液中や尿中に増加するマーカー
ALP(アルカリホスファターゼ)
BAP・NTx・1CTPなど
PSAなどの腫瘍マーカーは、がんの状態をよく反映することもありますが、あまり反映しないこともあります。ですから、腫瘍マーカーだけではなく、画像診断の結果などもあわせて、総合的に診断することが重要です。
知っておきたい前立腺がんの骨転移
監修:賀本 敏行 先生
宮崎大学医学部 発達泌尿生殖医学講座泌尿器科学分野 教授