Q4 骨転移が起こるとどのような症状が現れますか?
骨にがんが転移しても、初期では症状がほとんどないため気づきにくく、小さな違和感が見逃されることもあります。
しかし、骨転移が進行すると、がん細胞が骨の中の神経を刺激したり、脊髄など周囲の組織を圧迫することで、痛みやしびれ、麻痺などが起こりやすくなります。また、転移した場所の骨が脆くなることで、少しの力がかかるだけで骨折しやすくなることもあります(病的骨折)。
さらに、骨のカルシウムが血液に流れ出す「高カルシウム血症」が起こると、食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害などの症状がみられることがあります。
骨転移の主な症状
- 痛み
- 手足のしびれ、麻痺(脊髄圧迫)
- 病的骨折
- 高カルシウム血症
- (食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害など)
病的骨折とは?
骨が脆くなり、日常のちょっとした動作などで骨折しやすくなります。なかでも脊椎(背骨)が骨折すると、背中が曲がる、身長が縮むといった症状が現れます。また、体重を支える大腿骨などを骨折すると、歩くことが難しくなり、日常生活が困難になります。
知っておきたい前立腺がんの骨転移
監修:賀本 敏行 先生
宮崎大学医学部 発達泌尿生殖医学講座泌尿器科学分野 教授