Bさん(76歳 首都圏在住)の場合
こちらに示すケースは、仮想患者さんによるモデルケースです。実際の病状や経過、治療法の選択などは、患者さんによって一人ひとり異なります。
ご自身の経過や治療法の選択については、主治医の先生とよくご相談ください。
今後の治療を考える上で重要なポイント
- 骨に転移があり、他の臓器には転移していない
- ホルモン療法(ADT*)と放射線療法を実施済み
- どのような治療も積極的に実施してみたい
選択できる治療
【ホルモン療法】
- アンドロゲンの作用を抑える薬剤を内服する治療です。
- 決められた用法・用量の通りに服用します。
※転移があるため、一部使えない薬があります。
【化学療法】
- 腫瘍を小さくしたり、がん細胞を壊す薬剤(抗がん剤)による治療です。
- 通院または入院して点滴で投与します。
- 基本的な投与スケジュールが決まっています。
- 別の化学療法が終わった後にのみ使われる薬もあります。
【RI内用療法】
- 骨の代謝が活発な骨転移部位に集積しやすい性質を持つ放射性医薬品を投与して、骨転移巣(がん細胞)に体の内部から放射線を当てる治療です。
- 通院して点滴で投与します。
- 基本的なスケジュールが決まっていて、投与回数の上限が決められています。
ー上記に加えて、下記の治療(骨マネジメント)も検討されますー
- 骨修飾薬による治療(骨折や痛みなどを防ぐ目的)
- 放射線による治療(痛みなどを和らげる目的)
- 手術による治療(麻痺への対処や整形的な目的)
- *
- ADT:アンドロゲン除去療法の略です。薬剤や手術によって男性ホルモンの分泌を妨げる(去勢状態とする)ことで前立腺がんの進行を抑えます。
患者さんモデルで考える、進行した前立腺がんとの共生
監修:鈴木 和浩 先生
群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授