Aさん(65歳 地方都市在住)の場合
こちらに示すケースは、仮想患者さんによるモデルケースです。実際の病状や経過、治療法の選択などは、患者さんによって一人ひとり異なります。
ご自身の経過や治療法の選択については、主治医の先生とよくご相談ください。
今後の治療を考える上で重要なポイント
- 他の臓器には転移していない
- CAB*1療法を実施済み
- 治療をよく理解し積極的に実施してみたい
- 頻繁な通院や長期入院は避けたい
- 日常生活への影響はできるだけ避けたい
選択できる治療
【ホルモン療法】
- アンドロゲンの作用を抑える薬剤を内服する治療です。
- 決められた用法・用量の通りに服用します。
- 転移のない場合にのみ使われる薬もあります。
【化学療法】
- 腫瘍を小さくしたり、がん細胞を壊す薬剤(抗がん剤)による治療です。
- 通院または入院して点滴で投与します。
- 基本的な投与スケジュールが決まっています。
- 別の化学療法が終わった後にのみ使われる薬もあります。
- *1
- CAB:ホルモン療法の一種で、複合アンドロゲン遮断療法の略です。下記のADT*2と抗アンドロゲン剤によって男性ホルモンの作用を阻害する薬剤を組み合わせる治療を行います。
- *2
- ADT:アンドロゲン除去療法の略です。薬剤や手術によって男性ホルモンの分泌を妨げる(去勢状態とする)ことで前立腺がんの進行を抑えます。
患者さんモデルで考える、進行した前立腺がんとの共生
監修:鈴木 和浩 先生
群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授