Q&A
A1
周期的投与法は決められたお薬を決められた期間に毎日使用したり、しなかったり、あるいは休薬したりする方法で、定期的に月経のような出血があります。閉経して間もない人に適しています。
持続的投与法は決められたお薬を毎日使用する方法で、使用開始後しばらくは不規則な出血が見られますが、時間の経過とともになくなってきます。月経のような出血を望まない人や閉経から数年経っている人に適しています。
A2
一緒に服用して問題ないものとそうでないものがありますので、服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。
A3
不正出血(予期せぬ出血)の原因となりますので、忘れないように注意しましょう。また、エストロゲンの補充が止まりますので、忘れてしばらくすると、改善していた症状が戻りますが、再開すれば、エストロゲンが補充されます。
A4
海外の報告では、50代からのHRTは動脈硬化を抑え、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)のリスクをあげないことが示されています、逆に、60歳以上で開始した場合は、かえって増加する可能性が報告されています。そのため「早期に開始した方が良い」とされています。それ以外の効果やリスクはほぼ同じであり、どの年代で始めても腟萎縮や骨粗しょう症に良い効果があることがわかっているので、治療目的があり、ベネフィットがリスクを上回っていれば開始できます。
A5
HRTは治療目的に応じて投与量や期間が決まるので、一律の期間は決められていません。たとえば更年期の症状を改善するためのHRTであれば、症状が改善し更年期を過ぎればいつでも止められます。しかし、止めたあとにまた症状が戻る場合もあります。 少なくとも1年に一度あるいは来院時に医師と治療目的があることと、ベネフィットがリスクを上回っていることを確認すれば継続は可能です。
A6
タバコは乳がんなどさまざまな病気のリスクになるといわれ、加齢と共にそのリスクは上昇します。HRTの開始をきっかけに禁煙を心掛けましょう。
A7
欠乏したエストロゲンを補うHRTと、避妊のために排卵を抑えるOCでは目的が違うので、薬に含まれるホルモンの種類や量が違います。閉経後のホルモン補充療法にはHRT製剤を用います。
バイエル薬品小冊子「HRT」監修 岡野浩哉(飯田橋レディースクリニック 院長)より