ベタフェロンの臨床試験
インターフェロンベータ製剤によるMS治療は自己注射を必要とするため、治療そのものが患者様の負担となります。しかし患者様ご自身が「治療目的」「期待される効果」を正しく理解されていることで、在宅治療を継続する力となります。
このページではベタフェロンの国内外の臨床試験の結果について、ご紹介いたします。
日本人のMS患者様を対象とした臨床試験
日本人の再発・寛解型MS患者様を対象に行われた長期臨床試験の結果、ベタフェロンの投与により以下のことが確認されました。
再発・寛解型MS患者様を対象とした臨床試験
再発・寛解型MS患者様を対象に北米で行われた長期臨床試験の結果、ベタフェロンの投与により以下のことが確認されました。
ベタフェロンは再発までの期間を延長します※2)。
ベタフェロンはたとえ再発があっても、その重症度を低下させます※2)。
再発・寛解型MS患者様を対象とした米国臨床試験
ベタフェロンは新しい病巣ができるのを抑えます※3)。
二次進行型MS患者様を対象とした臨床試験
二次進行型MS患者様を対象にヨーロッパで行われた長期臨床試験の結果、ベタフェロンの投与により以下のことが確認されています。
- 症状が進行するまでの期間を延長しました※4)。
- 車いすを使用しなければならなくなるまでの期間を延長しました※4)。
- 症状が進行する人の割合が減少しました※4)。
- MRI検査で発見される病巣が減少しました※4)。
ベタフェロンによる早期治療について
ヨーロッパで行われた臨床試験により、できるだけ早期からベタフェロン治療を開始することにより、後遺症が軽減されることが示唆されています※5)。
北米で実施された16年にわたる長期追跡調査
1988年~1993年に北米で実施された臨床試験に参加された患者様を対象とした16年間の追跡調査が行われています。その結果が報告されていますが、ベタフェロンが長期にわたり有効であり、かつ安全性も高いことを示しています。
インターフェロンベータ治療中の患者様へ
上記の臨床試験結果から、ベタフェロンはMSの早期の段階から効果があり、また再発・寛解型MS、二次進行型MSの患者様の再発回数を減らし、症状の進行を遅らせる効果があることがわかっています。
しかしながらインターフェロンベータ療法中であっても、MSの再発を完全になくすことはできません。再発や症状の進行が止まる人もいますが、病気が完治しているわけではないので、患者様ご自身のお考えで使用を中止しないでください。
また治療中に再発があった場合でも、同様に患者様ご自身の判断で治療を中止しないでください。何か身体の調子がいつもと違うなどの異常があらわれた場合や、疑問をお感じの際は、医師、薬剤師等にご相談ください。
参考文献:
- ※1)T.Saida, et al. : NEUROLOGY64 : 621-630(2005)
- ※2)The INFB Multiple Sclerosis Study Group : Neurology43 : 655-661(1993)
- ※3)Stone, L.A., et al. : Neurology49 : 862-869(1997)
- ※4)European Study Group on Interferonβ-1b in Secondary Progressive MS : Lancet 352 : 1491-1497(1998)
- ※5)Ludwig Kappos:Lancet 370 : 389-397(2007)