MSゲートウェイ

日常生活で注意することは?

市販の薬を併用しても大丈夫ですか?

ベタフェロンと漢方薬の「小柴胡湯」という薬剤は併用できません。慢性肝炎の治療でインターフェロンアルファー製剤と小柴胡湯の併用により間質性肺炎を発症したという報告があるからです。「小柴胡湯」の中にはさまざまな成分が入っていますが、その中のどの成分が問題となっているのかはっきりわかっていません。市販の漢方薬を服用される際には、事前に医師、薬剤師に相談してください。

また併用する際に注意が必要な薬剤としては、抗てんかん薬、アンチピリン(解熱鎮痛剤)、ワルファリン(抗凝固薬)、テオフィリン(喘息治療薬)などがあります。ベタフェロン療法中には、これらの薬剤の作用が強くなることがあります。これらの薬剤を服用されている患者様は医師の指示どおりに服用してください。

風邪をひいて発熱しているときにベタフェロンを投与してもよいのでしょうか?

風邪をひいているときにベタフェロンを投与しても問題ありません。ベタフェロン投与前に解熱鎮痛剤を服用されている方では、事前にその旨を主治医(もしくは風邪のために受診した医師)に伝えます。風邪で処方される薬剤の中には、解熱鎮痛剤がある可能性があります。二重に服用しないためにも現在服用している薬剤を持参して、受診しましょう。

インフルエンザなどに罹患し、発熱によりウートフ現象が強く出現している場合は、主治医の判断でベタフェロンの注射をお休みする可能性があります。

主治医の先生とベタフェロン投与についてご相談ください。

ベタフェロンを投与中にインフルエンザワクチンを注射しても問題ないでしょうか?

ベタフェロン療法中にインフルエンザワクチンを接種しても問題ありません。欧米ではインフルエンザなどのウイルス感染後にMSの再発率が高くなっていることを重視し、インフルエンザワクチンの接種を勧められる場合が多いようです。

しかしインフルエンザワクチンを接種した直後に再発したご経験のある患者様、再発したばかりの患者様やステロイドをたくさん飲んでいる患者様では、主治医の先生とインフルエンザワクチンの必要性についてご相談ください。

再発したばかりの患者様やステロイドをたくさん飲んでいる患者様では、ワクチンの効果が現れにくい場合があります。

食事制限はありますか?

ベタフェロン療法では食事の制限などはありません。

日本人の場合、MSに勧められている食事は、一般的に健康的な食事として認められているものと変わりないと考えてよいでしょう。

 

お酒を飲むことはできますか?

ベタフェロン療法ではアルコールの規制などはありません。しかし投与直後に発熱など風邪をひいたときのような症状がある方では、アルコールを飲むことで体温が上昇する可能性があります。

ウートフ現象(温浴効果)がある患者様では、体温が上昇して普段隠れている症状が出現する可能性があります。またお酒に酔うことで、バランス障害がある患者様ではふらついたり、脱力や物忘れなどの症状が強く出ることも考えられます。お酒は飲みすぎないように注意しましょう。

主治医から禁酒を指導されている患者様では、飲酒は控えるようにしてください。

妊娠への影響はありますか?

インターフェロンベータ製剤や免疫抑制剤などは妊婦には禁忌ですので、投与を中止します。ベタフェロンによる催奇形性の報告はありませんが、投与中の流産率が自然流産率よりもやや高かったと報告されています。

安全性の理由から妊婦あるいは妊娠している可能性のある女性にはベタフェロン療法を一時中止します。

出産後どのくらいでベタフェロンの投与を再開すべきでしょうか?

一般的に妊娠時は再発が減少し、出産直後は若干増え、出産約3~6ヶ月後には妊娠前の状態に戻ります。分娩後6ヶ月ごろまでは再発の危険性が高まるため、できるだけ早く治療を再開することが望ましいと考えられます。主治医と相談のうえ、ベタフェロンを再開する時期を決定してください。

新生児にとって母乳は感染防御の点から非常に重要です。一方、ベタフェロンの動物試験において乳汁中への移行が認められています。授乳の継続又は中止について主治医とご相談ください。ベタフェロン投与のために授乳を中止する場合でも、ベタフェロン再開前に母乳を凍結保存するなどの対応が可能です。

パートナーの妊娠に影響はありますか?

男性が使用した薬の妊娠への影響に関する報告はほとんどありません。一般的に使用される薬についてはまずご心配はいらないようです。またベタフェロンが男性の生殖能に影響を与えるというデータは現在のところ報告されていません。