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ベタフェロンはどのように注射しますか?

ベタフェロンは注射する前にベタフェロンバイアルに入っている白色粉末のかたまりを添付の溶解液で溶かします。ご自身で注射する方法と自己注射補助器具「ベタコネクト」を使って注射する方法の2種類から選択することができます。

どこに注射するのですか?

ベタフェロンは皮下注射製剤ですので、皮膚と筋肉組織の間にある脂肪層に注射をします。この脂肪層は血管や神経終末がほとんどないため、血管や神経終末を傷つける可能性が低く、また注射時に強い痛みを伴うことは少ないと考えられています。現在日本で販売されている多くの自己注射製剤で皮下注射という投与方法が選択されています。

ベタフェロンの注射部位は、以下のように身体の前面と背面に4箇所あります。

注射部位について:
  • 大腿(鼠径部と膝から離れた前面及び外側)
  • 腹部(へそとウエストラインを避ける)
  • お尻の上外側
  • 腕の上部外側

 

詳しい注射部位については、注射の準備のページをご覧ください。

注射する前に薬剤を溶かすのはなぜですか?

あらかじめ溶けている製剤では、薬剤の安定性が低下するため、pHを低く(酸性に)保たなければなりません。そのため薬剤そのものの刺激性が強くなります。また保管も冷所保存が必要となります。

ベタフェロンは使用する前に溶解する方法を選択しています。そのため安定性に優れ、室温保存が可能です。またベタフェロン溶液は中性で、薬剤の刺激性が低いと考えられています。皮膚や皮下脂肪層は中性~弱アルカリ性です。

注射針を取り付けたあとに注射針内の空気を抜かなくてもよいのはなぜですか?

皮膚の表面は外敵と接している場所であり、局所免疫反応が盛んです。そのため薬剤が皮膚の浅い部分に入ると皮膚が赤くなりやすいと考えられています。注射針の周りに薬液が付着すると、皮膚の浅い部分に薬液が残り、赤くなるなどの皮膚の局所反応が強く出る可能性があります。

上記のような理由からベタフェロンの調製が済み、注射針を最後に取り付けますが、その際に針の中の空気を抜かないようにします。乾いた注射針を使用して注射するようにしてください。注射針の中の空気は微量ですので、体内に入っても自然に吸収されます。

どのくらいの深さに注射するのですか?

ベタフェロン皮下注射に適した注射の深さは13mm(体格によって:8~13mm)です。 注射針の長さは13mmですので、垂直に根元まで刺してください。ベタコネクトを使用される場合は、適正な注射の深さを設定することができます。

注射の痛みを和らげる方法はありますか?

注射の痛みを和らげる方法には以下のようなものがあります。注射部位を冷やしたり圧迫したりして感覚を鈍くする方法や、気を紛らせることでリラックスして注射できるようになります。

注射の痛みを和らげる方法:
  • 注射の前後に約1~3分間、注射部位に小さな冷却用パット(保冷剤などを清潔なガーゼに包んで使用する)を押し当てると、薬液による皮膚の刺激が軽減されます。
  • 注射前に注射する部位を圧迫します。
  • 注射前に注射する部位を軽く叩きます。
  • 深呼吸にあわせて注射をします。
  • ご家族と会話をしながら注射をします。
  • 腹部をへこませながら注射をします。
  • 注射針を素早く刺します。

 

注射した跡から出血したのですが?

注射した後に注射部位から出血しても心配しないでください。これらは正常な身体反応で、皮膚の微小な毛細血管を傷つけてしまったことが原因です。止血するまで2~3分間圧迫してください。 ベタフェロンは薬剤の性質上、たとえ血管の中に入っても安全性に問題はありません。

注射した跡から出血しやすい場合:
  • 注射した跡から出血しやすい方では、注射の前後に約1~3分間、注射部位に小さな冷却用パットを当て注射部位を冷やすと止血の効果があります。
  • 消毒綿を使用して圧迫止血する際には、消毒綿のアルコール成分が血管を拡張して止血に時間がかかるケースがあります。そのような場合には消毒綿を使用せずに絆創膏などを貼り、その上から圧迫するようにします。
  • 止血効果のある注射用絆創膏が市販されています。
     

注射する時間を決めるのはなぜですか?

ベタフェロンは自分で注射する薬剤ですので、毎日の生活の中にうまく取り入れることが大切です。注射を忘れないように、また日常生活に取り入れることができるように、毎日同じ時間に注射をしましょう。

お仕事などで同じ時間帯に注射をすることが難しい方も心配はありません。時間がずれたりしても1日おきに注射をしていれば問題はありません。

何時に注射をすればよいでしょうか?

就寝前にベタフェロンを注射するようにして、眠っている間に症状をコントロールする方法があります。

しかし患者様によっては発熱などの副作用が遅くあらわれる場合があります。そのような患者様では就寝前に投与しても、翌日の朝には発熱している可能性があります。このような場合には、ベタフェロンを投与して何時間後に発熱しているのかを観察し、ベタフェロンの投与時間を早め、就寝前に解熱鎮痛剤を服用するように調整します。

解熱鎮痛剤は目安として発熱のピークを迎える1時間前に服用します。

注射するのを忘れてしまったら?

もし注射し忘れた場合は気づいた時点で注射してください。その後は、通常通り1日おきに注射をします。

注射した日に入浴できますか?

注射した日に入浴することは問題ありません。しかし発熱していることも考えられますので、注射した直後に入浴するのは避けるようにします。

注射した当日のみ注射部位は軽く洗い流す程度にして、過度な刺激を避けるようにしてください。

注射した跡を日に当てても大丈夫ですか?

注射した跡が赤くなっている箇所は皮膚への刺激を避けるため、注射部位を過度に日焼けさせないようにしてください。しかし通常の日常生活で浴びる紫外線の量は問題ありません。