ベタフェロンを正しくお使いいただくために
ベタフェロンによる治療
ベタフェロンは、多発性硬化症(MS)の治療薬として欧米をはじめ世界各国で使用されているお薬です。日本では2000年に承認され、現在までに多くの患者様がベタフェロンによるMSの治療を受けておられます。ベタフェロンを正しく理解し、適切に使用し続けることで、MSの再発を予防し、進行を抑制する効果が期待できます

ベタフェロン療法を始める際には、誰もが自己注射や副作用に対して何かしらの不安を感じていると思います。自己注射をすること自体で健康を喪失したように思い、積極的に治療に踏み切れない場合もあるかも知れません。ベタフェロン療法により再発を完全になくすことはできませんが、治療を長く続けていくことで今の良い状態を維持することができます。
MSにおけるインターフェロンベータ療法では、治療の効果を単独の検査などで確認することが困難です。そのためご使用中の患者様であっても治療の効果が明確にわからず「何も変わらない」と感じておられるかも知れません。
MSの場合、病状の進行や治療の効果を確認するには、定期的にMRI検査を受けることが大切です。MRI検査で発見される病巣の90%近くは何の自覚症状もない再発だと言われているからです。 MRI検査を受けると自覚症状を伴わない再発でも画像上で確認することができます。

海外で行われたベタフェロンの臨床試験では、造影MRIで発見される新しい病巣数を91.4%減少させるという結果があります※1)。また再発があっても重い再発を48.9%低下させることも証明されています※2) 。
「何も変わらない」と思っていても、実は新しい病巣ができるのを抑えていて、症状の進行を食い止めている可能性があります。
治療の効果や必要性について疑問を感じている場合には、主治医と十分に相談するようにしましょう。治療に対する不信感は、あなたの不安を増幅させる可能性があります。
ベタフェロンの効果や副作用については、ベタフェロンについての中のベタフェロンの効果、ベタフェロンの臨床試験、ベタフェロンの副作用のページで詳しくご説明しています。
自己注射の方法を学ぶために、医師や看護師から十分な指導を受けることができます。ベタフェロンを初めて投与された方でご家族に自己注射のサポートを得ることを検討されている方は、ご家族にも同様に自己注射法の指導を受けていただくと良いでしょう。
このページでは、ベタフェロンの調製および注射のしかたについてご説明します。
参考文献:
- ※1)Stone, L.A., et al.:Neurology49:862-869(1997)
- ※2)The INFB Multiple Sclerosis Study Group: Neurology43:655-661(1993)