「しこり」の部分の細胞を検査し、がんを診断

――甲状腺がんが疑われた場合は、どのような検査をするのですか?
 

伊藤 触診や画像検査で甲状腺のしこり(結節)の存在が明らかになった場合は、まず超音波検査を行います。超音波検査は検査器具を皮膚の表面に滑らせるだけの検査ですので、痛みはなく体に害もありません。この検査では、甲状腺の大きさやしこりの有無・性状、リンパ節の腫れの有無がわかります。病歴、家族歴、身体所見を把握し、血清TSHなどの測定も合わせて行います。これらの結果から結節を評価し、穿刺吸引細胞診の必要性を判断します。
穿刺吸引細胞診は、結節に細い針を刺して細胞を直接採取し、顕微鏡で調べる検査です。結節が良性か悪性かを判定する最も優れた検査法で、入院せずに外来で行うことが可能です。現在はエコー下細胞診といって、超音波を当てながらしこりの部位に針を刺すことができるようになり、より正確に診断ができるようになりました。 穿刺吸引細胞診を行わない場合は適宜、超音波検査を行い経過観察を続けます。 甲状腺がんと診断され手術を受ける際にはCT検査※1を行います。CT検査によってがんの拡がりを知ることができます。まれに肺へ転移※2していることもあるため、胸部のレントゲンやCT検査を行います。
 

※1 CT検査 : X線を使って身体の断面を撮影する検査。身体の内部の構造が詳しく分かるので、病気の診断や進行具合を詳しく調べるときに行う。

※2 転移 : がん細胞がリンパや血液の流れにのって、元の場所から離れた臓器などの別の場所に移動すること。
 

図6.甲状腺結節診断フローチャート

図6.甲状腺結節診断フローチャート