MSの症状
心理的障害について
MS(多発性硬化症)では様々な心理的・感情的な障害が生じることがあります。そのためうつ病となったり、躁鬱状態となることもあります。例としては次のような症状があります。
- 感情が変化しやすい
- 泣き笑いを止めることができない
- 多幸症
- 不安
- 性的障害
- 易刺激性
- 人間関係の確立困難
- 社会的隔離
治療について
主治医や医療スタッフにより、患者さんの精神的、身体的、社会的な評価が行われます。
抑うつは薬物や他の療法によって治療することができます。しかし、本人が抑うつの症状を自覚しない場合があります。このような場合、主治医は治療が適切であるかどうか、抑うつと認知障害について検査を行います。
抑うつは抗うつ薬の内服や精神療法によって治療することができます。
他の心理的問題は個別またはグループでの精神療法が治療の助けになることがあります。これは疾患の初期段階、診断の直後には特に有効であり、精神療法と弛緩療法を組み合わせることも可能です。グループでの精神療法は参加者にとって必要な情報を得ることができます。
参考テキスト
- 1. Gibson J, Frank A. Supporting individuals with disabling multiple sclerosis. J Roy Soc Med 2002; 95: 580-586.
- 2. Kraft GH, Catanzaro M. Living with Multiple Sclerosis - A Wellness Approach. Demos Medical Publishing, New York 2000:125 p.