MSの診断
EDSSとは何か?-詳細-
EDSSを測定する方法は、まず最初に、機能系(Functional System:FS)と呼ばれる中枢神経系の機能を測定します。この尺度では、軽症の段階では、顔面または指の一過性のしびれ感、視力障害など機能系の状態を測定します。比較的症状の重い段階では、歩行可能距離などの運動能を測定し、EDSSの値を算出します。
EDSSで測定される機能系(FS)は次のとおりです* 1。
- 錐体路機能
- 小脳機能
- 脳幹機能
- 感覚機能
- 膀胱直腸機能
- 視覚機能
- 精神機能
- その他
上に挙げた機能系(FS)がそれぞれの機能障害の程度に従ってグレード分類されます。グレードの範囲は正常のゼロから最大の機能障害の5または6までです。8つの機能系(FS)のグレードに運動能と日常生活の制限の指標を加え、EDSSの20段階が決まります。
EDSSスコアが低値の場合には、訴える症状の種類が増えるとEDSSスコアが1以上増加します。このことは、新たな機能系にも障害が及んだり同一の機能系内であっても重症度の増加があることを意味します。EDSSスコア4以上になると、歩行能力が重要な要因となります。
参考文献
- Gaspari M, Roveda G et al. An expert system for the evaluation of EDSS in multiple sclerosis. Artificial Intelligence in Medicine 2002:25;187-210.