よくある質問
MSで排尿障害が起こるのでしょうか?
以前よりトイレに行く回数が多くなりました。排尿が間に合わないこともあります。MS(多発性硬化症)が関係する症状ですか?
MS患者さんは排尿障害を起こすことがよくあります。大部分の排尿障害はうまく管理することができ、また尿路感染症は予防できます。
MSにおける排尿障害は、脳や脊髄の病変が原因です。症状は様々であり、次のようなものがあります。
- 尿意切迫感
急いでトイレに行きたいという欲求 - 頻尿
1日に5~6回を超える排尿 - 頻尿
1日に5~6回を超える排尿 - せん延性排尿
排尿開始までに時間を有すること - 夜尿
夜間の尿漏れ - 失禁
尿の漏れまたは排尿コントロールの喪失 - 尿閉
排尿したいのに尿がでない状態
排尿障害を軽減するには
これらの排尿障害を解決するためには、主治医の診察を受け、また泌尿器科を受診しなければならないことがあります。
症状として頻尿や排尿困難がある場合、直ちに主治医の診察を受けるべきです。
過活動膀胱の症状(尿漏れ、頻尿、尿意切迫感など
過活動膀胱の症状(尿漏れ、頻尿、尿意切迫感など)を軽減させる薬物があります。またその他に残尿感があり排尿が不十分と思われる場合には、膀胱を活性化させる薬物もあります。薬物治療をうけた多くの人が、ほとんど不自由のない日常生活を送っています。主治医に排尿習慣や排尿の問題があれば最新情報を伝えておきましょう。
一部の人は尿路感染を起こすことがあります。その症状は頻尿、尿の強い臭いと変色、排尿時痛、発熱などです。
排尿障害が起こっている場合には、決して自己判断で治療を中止したりしないでください。できるだ け膀胱から残尿-(ときに尿路感染の原因になる)-を排出させる方法もあります。主治医や他の リハビリテーションチームのメンバーから、それぞれの問題に応じて指導が受けられます。必ず主 治医に相談することを忘れないでください。
上記のような症状には日常生活上の対処法があります。頻尿や尿意切迫感などの症状がある場 合、外出した先の劇場やレストランなど公共の場でのトイレの位置を確認しておきます。
頻尿や尿漏れなどの症状
頻尿や尿漏れなどの症状は、水分摂取の時間を調節することによって軽減します。尿漏れなど排尿に問題がある患者さんの中には、ほとんど水分をとらない人がいます。このような水分を控える行為は勧められず、尿路感染症やその他の深刻な事態を招くことがあります。腎臓は老廃物を効率的に排出するために、1日に約2リットルの水分を必要としています。
対策としては、水分を計画的に摂取することです。外出や就寝の直前には大量の水分を飲まないようにしましょう。
失禁に対応した衣服、尿とりパッドの使用、用具などは、薬局などで購入することができます。
発現する症状が必ずしもMSに関連するとは限りません。男性は前立腺の障害、女性は膣感染を起こすことがあります。主治医に原因を解明してもらい、治療を勧めてもらうのが最良です。
MSでの尿路障害は多くの患者さんにみられ、やっかいなもので社会生活上での問題を起こします。しかし治療効果があり、正常な活動を行うことができる程度まで軽減することができます。
テキストはwww.msif.orgの情報に基づきます。